新米が古米より安い“逆転現象” コメ価格下落に消費者歓迎も生産者から不安の声
▼2026.08.19(水) 18:12
広島県内のスーパーで新米の販売が始まるなか、新米が古米より安く販売される“価格の逆転現象”が起きています。コメ価格の下落に消費者からは歓迎の声が上がる一方、生産者からは経営への影響を懸念する声も聞かれます。
広島県内のスーパーでは今月上旬ごろから新米の販売が始まっています。
広島市内のあるスーパーでは、新米の広島県産コメ5キロが3219円で販売されている一方、去年収穫された古米は3867円で販売されていて、新米の方がおよそ650円安くなる逆転現象が起きています。
店の担当者は、「新米の方が安いというのはこれまでになかった」と話します。
背景にあるのはコメの供給量の増加です。農林水産省によりますと、6月末時点のコメの民間在庫量は243万トンと過去最大となっています。
全国のスーパーでのコメの平均販売価格は、去年末に記録した5キロ当たり4416円をピークに下落が続き、今月は3220円まで下がりました。
買い物客からは、「相場が高い時に作られたコメだからだと思う。普段は安いものを選ぶのでありがたい」と歓迎する声が聞かれた一方、「買う側としては助かるが、農家の収入が大丈夫なのか心配」との声も上がっています。
こうした価格下落に不安を感じているのがコメ農家です。
世羅町でコメを栽培する農家は、今月末ごろから収穫を始める予定で、今年の生育状況について「例年並みに育っている」と話します。
一方で、「令和のコメ騒動」とも呼ばれた品薄や価格高騰から一転し、急激な価格変動に戸惑いを隠せないといいます。
農家は、「主食であるコメの価格がここまで上下すると営農計画や事業計画が立てられない。経営が不安な状況になる」と訴えます。
また、去年の備蓄米の放出などによって需要と供給のバランスが崩れ、価格の乱高下が起きているのではないかと指摘します。
さらに、農協が生産者に前払いする「概算金」も広島では、まだ決まっていません。農家によると、全国的な情勢では30キロ当たり7000円から8000円程度との見方が出ている一方、去年は1万6000円程度だったといいます。
生産コストが上昇するなか、この農家は少なくとも30キロ当たり1万円を希望していて、「価格が安定することが何より重要だ」と話しています。
広島県内のコメの概算金は今月末に公表される見通しです。消費者にとって買いやすく、生産者にとっても安心して生産を続けられる価格が実現できるかが注目されています。