新アリーナ整備へ初会合 民設・行政寄付・民営の「負担付寄付」を提案 2031年度開業目指す
▼2026.07.08(水) 19:12
JR広島駅北口で計画されている「新アリーナ構想」の実現に向けた初めての官民協議会が7日、広島市内で開かれました。
協議会では最大1万人規模のアリーナを2031年度に開業する方向性が示されたほか、民間が施設を整備して自治体に寄付し、その後の運営を担う「負担付寄付」という事業手法が提案されました。
7日、エディオンピースウイング広島で開かれた協議会の初会合には、発起人となった広島ドラゴンフライズと広島イベント事業振興協会の代表に加え、広島県、広島市、JR西日本広島支社、広島商工会議所のトップが出席しました。
協議会は「オール広島」で新アリーナ実現を目指し、整備の方向性を取りまとめることを目的としています。
新アリーナの候補地は、広島駅北側のJR西日本所有地です。最大1万人規模の施設を想定しています。広島グリーンアリーナの暫定利用期間が終了する2031年度の開業を目標とする考えも示されました。
■焦点となった「負担付き寄付」
初会合で注目を集めたのが、広島ドラゴンフライズの浦伸嘉社長が提案した「負担付き寄付」という事業手法でした。
浦社長は協議会で、「公共性、公益性を有する施設であることを考慮すると、建設した施設を行政に寄付するようなことを念頭に検討してはどうか」と提案しました。
会見でも、「負担付き寄付という、最終的には我々が建設したものを行政に寄付するのがいいと思っている」と述べました。
負担付寄付は、民間が主体となって施設を整備し、完成後に自治体へ寄付したうえで、民間が管理運営を担う仕組みです。
行政側は建設費の負担を抑えながら公共施設を保有できる可能性があります。一方、民間側は施設運営を担うことで、スポーツ興行やコンサートなどの収益機会を確保できます。
浦社長は、新アリーナについてスポーツだけでなく、
・音楽ライブ
・コンサート
・MICE(国際会議や展示会)
・地域イベント
・災害時の避難拠点
など幅広い用途を想定していると説明しました。
広島市の松井市長は、
「具体的にどういった意味合いがあるのか、行政の立場で、どういった仕掛けになるのか、こういうことは直ちにはわからないので、それらをやることと、アリーナを作り、維持するといった中で、市のその収入といったものにどういう影響があるかをつぶさに検証していった方がいいと思う」と検討する意向を示したうえで、「皆さんと議論していきたい」と述べました。
横田知事は、「事業スキームについては今日聞いたばかり。今日はそういう考えがあるんだなというところで受け止めたい」と述べました。
■広島商工会議所「民間施設に寄付は募れない」
資金調達をめぐっては、広島商工会議所の松藤研介会頭も言及しました。
松藤会頭は、「商工会議所としては民間施設に対して寄付を募る立場にはない」と述べました。
その上で、「今後のスキームがどうなるのかを聞かせていただきながら、経験を生かして支援したい」との考えを示しました。
負担付き寄付を実現するためには、施設の所有形態や公共性の整理が重要な論点となる見通しです。
■広島飛ばし解消や都市活性化にも期待
協議会では、新アリーナの必要性として、Bリーグの施設基準への対応
コンサート需要の受け皿不足、「広島飛ばし」の解消、若者流出対策、都市の魅力向上、などが挙げられました。
また、広島駅周辺は「ひろしま都心活性化プラン」で「広島の陸の玄関ゾーン」に位置付けられており、新アリーナは広島駅周辺と紙屋町・八丁堀地区を結ぶ都心の回遊性向上にも貢献すると期待されています。
■交通対策や事業採算が今後の課題
候補地周辺では県立新病院の建設や広島高速5号線の開通が予定されていて、交通渋滞への対応が焦点です。
横田知事は、
「新病院では救急車両がいつでも通行できることが極めて重要」
と指摘しました。
また、建設費の高騰が続く中、事業規模や採算性をどう確保するかも今後の焦点となります。
今後は、負担付寄付を含む事業手法や、県・市・民間それぞれの役割分担について具体的な議論が進められる見通しです。